【2026年10月改定】最低賃金が引き上げられました!福岡県の新しい最低賃金と企業が対応すべきポイント

2026年10月から、各都道府県の最低賃金が順次改定されています。
最低賃金の引き上げは、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトなど、幅広い労働者の賃金に影響する重要な改定です。
特に、福岡県内で事業を営む企業は、新しい最低賃金を確認し、自社の給与が基準を満たしているかを確認する必要があります。
今回は、2026年10月からの最低賃金改定について、福岡県の最低賃金額や企業が対応すべきポイントを解説します。

1.2026年10月からの福岡県の最低賃金

福岡県の地域別最低賃金は、2026年10月4日から、次のとおり改定されました。

福岡県の最低賃金

  • 改定前:1時間1,057円
  • 改定後:1時間1,114円
  • 引き上げ額:57円
  • 発効日:2026年10月4日

今回の改定により、福岡県内で働く労働者に適用される地域別最低賃金は、時間額1,114円となりました。

企業は、2026年10月4日以降の労働について、新しい最低賃金額を下回らないように賃金を設定する必要があります。

なお、特定の産業については、地域別最低賃金とは別に「特定最低賃金」が定められている場合があります。該当する事業所では、適用される最低賃金を確認しましょう。

2.最低賃金はどのような労働者に適用される?

最低賃金は、正社員だけに適用されるものではありません。

原則として、次のような労働者にも適用されます。

  • 正社員
  • 契約社員
  • パートタイマー
  • アルバイト
  • 派遣労働者

雇用形態や呼び方にかかわらず、最低賃金制度の対象となる労働者には、適用される最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。

また、最低賃金を下回る賃金について、会社と労働者が合意していたとしても、その合意は最低賃金法によって無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。

「本人が納得しているから問題ない」「短時間勤務だから対象外」といった考え方は認められないため、注意が必要です。

3.自社の給与が最低賃金を下回っていないか確認しましょう

最低賃金の改定にあたっては、従業員の給与が新しい基準を満たしているか確認することが重要です。

特に、時給1,100円など、改定前の最低賃金を少し上回る水準で給与を設定していた企業は、見直しが必要となります。

例えば、福岡県内で時給1,100円の従業員を雇用している場合、改定後の最低賃金1,114円を下回るため、時給を引き上げなければなりません。

最低賃金の確認は、時給制の従業員だけでなく、日給制や月給制の従業員についても必要です。

月給制の場合は、最低賃金の対象となる賃金を1時間当たりの金額に換算し、最低賃金額と比較します。

その際、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与など、最低賃金の計算に含めない賃金があるため、単純に総支給額だけで判断しないようにしましょう。

4.最低賃金の改定に伴い企業が対応すべきこと

最低賃金の引き上げに際して、企業は次の項目を確認しましょう。

① 従業員の賃金を確認する

まずは、従業員ごとの時給・日給・月給を確認し、新しい最低賃金を下回っていないかチェックします。

特に、パートやアルバイトなど、最低賃金に近い賃金で雇用している従業員については、優先的に確認することをおすすめします。

② 給与計算の設定を見直す

給与計算ソフトや勤怠管理システムを利用している場合は、時給や給与計算の設定が適切になっているか確認しましょう。

最低賃金を引き上げても、給与計算の設定が変更されていなければ、誤った賃金が支払われるおそれがあります。

③ 雇用契約書・労働条件通知書を確認する

雇用契約書や労働条件通知書に記載されている賃金が、改定後の最低賃金を下回っていないか確認しましょう。

賃金を変更する場合には、変更内容に応じて労働条件の明示や書類の整備を行い、従業員に変更内容を適切に説明することが大切です。

④ 人件費への影響を把握する

最低賃金の引き上げは、企業の人件費にも影響します。

対象となる従業員の人数や労働時間をもとに、人件費の増加額を試算し、今後の資金計画や価格設定、業務効率化などを検討しましょう。

また、最低賃金に合わせて一部の従業員の時給だけを引き上げた場合、既存従業員との賃金差が縮小することもあります。社内の賃金バランスについても、必要に応じて見直すことが重要です。

5.最低賃金を下回った場合はどうなる?

最低賃金以上の賃金を支払うことは、使用者の法的義務です。

最低賃金を下回る賃金しか支払っていない場合、会社は不足額を支払う必要があります。また、最低賃金法に基づく罰則の対象となる可能性もあります。

「知らなかった」「給与計算の変更を忘れていた」という理由であっても、最低賃金を下回る状態を放置することはできません。

賃金の設定や給与計算に不安がある場合は、早めに確認し、必要な対応を進めましょう。

6.まとめ|最低賃金の改定に合わせて労務管理を見直しましょう

2026年10月4日から、福岡県の最低賃金は時間額1,114円に引き上げられました。

企業は、従業員の賃金が新しい最低賃金を満たしているか確認するとともに、給与計算の設定や雇用関係書類などを見直す必要があります。

最低賃金の改定は、単に時給を変更するだけでなく、人件費の管理や社内の賃金体系を見直す機会でもあります。

当事務所では、最低賃金の確認をはじめ、給与計算、労働条件通知書の整備、就業規則の見直しなど、企業の労務管理に関するご相談に対応しております。

最低賃金への対応や給与設定についてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。