適用できる?できない?有期契約社員の定年制度

福岡労務経営管理事務所では顧問先事業所を中心に毎月「労務マガジン」を配信しております。
今回は「労務マガジン8月号」にも記載しているQ&Aを一つご紹介致します。

ご質問内容

弊社は60歳定年で、65歳までの再雇用制度を導入しています。
若い社員が多いため、今まで定年を迎えた人はいません。しかし、有期契約社員のなかに、もうすぐ定年を迎えようとしている人がいます。
この場合、有期契約にも定年制度を導入できるのでしょうか? 
あるいは契約更新は定年の60歳までとするなどの規定はできるのでしょうか?

有期雇用契約とはそもそも一定の契約期間を条件としているため、原則定年の概念はないものといえます。
つまり、言い換えれば定年まで雇用する義務が無く、契約更新の要件を満たしていなければ年齢に関わらず雇い止めが可能ということになります。
有期契約社員に定年を規定すると、 反対に雇用の流動性が下がる可能性もあると理解しておきましょう。

期間の定めのある契約社員に定年が必要かどうか考えよう

有期契約社員に、定年や雇止め年齢を規定することができないというわけではありません。
しかしながら、“有期”とある通り、その社員との労働契約では、もともと期間が定まっています。
そこに定年制を導入するというのはそぐわないといえるでしょう。そもそも有期契約とは、長期雇用を前提とした契約です。
そこに定年制まで導入してしまっては、その契約は期間の定めのない社員と同じであると扱われてしまう可能性もあります。

有期契約社員に定年年齢を規定することのリスクとは

これにより、有期契約社員に定年年齢までは雇止めがないという期待が生じると、定年まで雇止めができなくなったり、65歳までの雇用確保措置義務が生じたりします。
また、60歳以降雇用(更新)しないと規定することは、60歳以後の継続雇用義務を定めた高年齢者雇用安定法の主旨に反するものです。
契約更新の具体的な年齢上限を定める場合は、少なくとも65歳とすることが求められます。
どちらにしろ、有期契約の内容に定年や年齢制限を入れると実質無期雇用と判断されますので、避けたほうがよいでしょう。

企業の経営者・総務をサポート

福岡労務経営管理事務所は、社会保険労務士が、社会保険実務・給与労務など、専門的な知識を活かし、企業の経営者や総務部署等の右腕として実務サポートを行っております。
社会保険や給与に関する実務には、様々な法律・規則等絡んできます。
一つ実例のご紹介となりますが、社会保険料の計算を間違えた事で、従業員へ毎月支払う給与、確定申告(決算業務)にまで影響を及ぼし、社会保険労務士へ初めて相談に来られたという企業もございます。
社会保険労務士へ相談にくるまでに、社内で解決しようと多くの従業員が残業し、結果として想定以上の残業代支払いになる等、人的にも経費面でも企業にマイナスを及ぼしています。
福岡労務経営管理事務所では、企業様の右腕として、こうした実例に至らないよう適切なサポートをお約束します。