病気休職から復帰した従業員 年次有給休暇はどのように算出する?

質問

病気休職していた従業員が復帰しました。
このような場合、年次有給休暇はどのように付与すればよいのでしょうか? 
出勤率算定に際して、病気休職期間を全労働日から差し引けばよいのでしょうか。
あるいは、別の算出方法があるのでしょうか。どのように対応すればよいのか教えてください。

結論

私傷病による休職期間をどのように扱うべきかについて、法律上の定めは特にありません。
そのため、病気休職期間を全労働日から差し引くかどうかは、企業ごとに定めることになります。
休職期間を出勤日数や全労働日から除外する、あるいは、欠勤と同様に扱うといった考え方があります。

労働日として換算するのは育休・介護休業期間など

年次有給休暇は、6ヵ月以上継続勤務しており、そのうちの8割以上出勤している労働者に対して付与しなければなりません。
年次有給休暇の付与において重要な出勤率は、全労働日で出勤日数を割って計算します。計算式は以下の通りです。
【出勤率(%)】= 出勤日数 / 全労働日 ×100
 労働基準法39条では、休業期間のうち、①業務上の傷病による休業期間、②育児・介護休業期間、③産前産後休業期間については、労働日に含むと定められています。

労働基準法上の定めは特になし 病気休職の扱いは企業の判断で

さて、ご質問の病気休職期間については、労働基準法上で定めがあるわけではなく、企業で個別に判断していく事項になります。
一般的には、休職期間は労働者の労働義務を免除している期間として、出勤日数や全労働日(分母)から除外するという考え方、あるいは私傷病などによる休職は欠勤の延長線上であり、欠勤と同様に扱うという考え方があるかと思います。
ただし、その取り扱いをめぐって労働者と見解が異なる可能性もあります。事前に就業規則に休職時の出勤率算定方法を明記するほか、もし定めがない場合は追加することをおすすめします。